美容師の業務委託とは?メリットやシェアサロンとの違い

美容師といえば、サロンに所属し週に5日程出勤するという印象が強いのではないでしょうか。

しかし最近では、特定のサロンに所属せず、個人で好きな時間に働く美容師が増えています。

いわゆるフリーランス美容師の中でも、業務委託で働く場合のワークスタイルや利点・欠点を知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、美容師の業務委託とはどのような働き方なのか、面貸しやシェアサロンとの違いは何なのかを解説します。

将来サロンを辞めて独立したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

美容師の業務委託とは?業務委託と雇用契約の違い

美容師の働き方は主に、雇用契約・派遣契約・業務委託契約の3種類です。

「雇用契約」とは、美容師が従業員として働くサロンと交わす契約のことです。

雇用契約の中でも、働き方や待遇により正社員・パート・アルバイトなどに分けられます。

美容師は決められた時間の中で働き、その対価として賃金をもらいます。

「派遣契約」とは美容師と派遣会社が結ぶ契約のことです。

派遣会社に所属する美容師は、要請があるサロンにその都度働きに行きます。

どの会社・組織にも所属しない個人事業主の美容師が、サロンと結ぶ契約を「業務委託契約」と呼びます。

業務委託契約は、雇用者と被雇用者の関係ではなく、対等な事業主同士の契約です。

雇用契約を結ぶと、美容師には労働基準法による保護が適用されます。

具体的には、社会保障制度の利用・年次有給休暇の取得・残業手当の請求などが可能です。

労働者である美容師は、雇用主であるサロンの命令や指示に従って働く義務があります。

一方で業務委託契約には使用従属性がなく、特定の業務を行った美容師に対してサロンが報酬を支払うという形態です。

業務委託の美容師には、ある程度の裁量が認められます。

しかし、美容師はサロンの労働者ではないため、労働基準法の保護は適用されません。

サロンによっては、雇用契約と業務委託契約の切り替えを行うケースもあります。

また、全美容師が業務委託契約によって働く、業務委託サロンも存在します。

ライフステージに合わせて最適なワークスタイルを選べる点が魅力的です。

面貸しやシェアサロンとの違い

業務委託と並び、フリーランス美容師に人気なのが面貸しやシェアサロンです。

ここでは、業務委託と面貸しやシェアサロンとの違いについて解説していきます。

面貸しとの違い

面貸しとは、サロンの一部空きスペースを個人の美容師に貸し出すシステムのことです。

鏡1面分を貸し出すことから、ミラーレンタルとも呼ばれます。

美容師は、時間制料金や月額利用料を支払ったり、売上の一部を納めたりすることによって、サロンの設備や施術スペースを使用できます。

サロンオーナーは、空いた時間や場所・設備を活用し、サロンの稼働率をアップできます。

サロンのオーナーと美容師は、雇用主と労働者ではなく、あくまで店舗貸主と借主の関係性です。

業務委託ではサロンが代表して集客する一方、面貸しでは美容師が自分で集客します。

また、料金設定や業務時間設定などにおいても、面貸しの方が美容師個人の裁量が大きいです。

 フリーランス美容師のための面貸しとは

面貸しサロンについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

シェアサロンとの違い

シェアサロンとは、フリーランスの美容師複数人が共同で使うサロンのことです。

施術スペースや設備が元から備わっており、利用料金の支払い又は売上の歩合制で、美容師は好きな時間にシェアサロンで自分のサービスを提供できます。

面貸しと同様、シェアサロンでも美容師が自分で集客を行わなくてはなりません。

ただし、特定のサロンのスタッフではなく、個人の美容師として自由に働けます。

シェアサロンとは?美容師が利用するメリットデメリットを紹介

こちらの記事でシェアサロンについて詳しく解説しています。

業務委託のメリット

ここでは、美容師が業務委託で働くメリットを解説していきます。

歩合率によっては収入アップが狙える

サロンと雇用契約を結んで正社員として働く場合、収入は基本給+売上の10~30%の歩合制が一般的です。

また、美容師全体の平均年収は270~300万円であり、他業種と比較しても低い傾向があります。

業務委託として働く場合の収入は、売上の40~50%の歩合制です。

雇用契約と異なり社会保険や有給制度がないため、歩合還元率が通常より高くなります。

サロンに所属して働くよりも、売上増による収入アップが期待できるかもしれません。

自由に働くことが出来る

業務委託契約は、美容師とサロンが対等の関係で交わされます。

そのため、働き方の面で美容師の裁量が大きいです。

例えば、出勤日や出勤時間を自由に設定できます。営業時間外の残業に追われることもありません。

また、サロンによっては美容師個人の顧客であれば、自由に料金を設定できるケースもあります。

長期的に働くわけではないため、煩わしい人間関係に悩まされることなく、ストレスフリーな環境で働けるでしょう。

集客を行わなくてよい

美容師が独立して働く場合、躓きやすいのが集客です。

フリーランスの美容師が利用する面貸しやシェアサロンでは、集客を自分で行わなければなりません。

一方業務委託では、サロンが代表して集客を行ってくれます。

宣伝・広告にかけるコストを負担することなく、安定的な仕事量が見込めるため、収入の不安も抑えられます。

複数の美容室を掛け持ちで働くことが出来る

雇用契約と異なり、業務委託契約では副業が認められているケースが多いです。

複数のサロンを掛け持ちして、環境をフレキシブルに変えながら働けます。

お客様とマンツーマンで接客できる

業務委託では、ヘルプなどの掛け持ち接客が少なく、自分のお客様と一対一で向き合えます。お客様との信頼関係を築きやすいです。

また、丁寧な接客によってお客様の満足度も上がり、美容師としての実績や評価を期待できます。

業務委託のデメリット

反対に、美容師が業務委託で働くデメリットを解説していきます。

収入がゼロになる可能性も

雇用契約の正社員としてではなく業務委託で働く場合、基本給の保証や有給制度がありません。

健康状態の変化や急な予定により働けなくなると、その分売上が減り、収入も減少してしまいます。

収入の安定性がないのが、フリーランスのデメリットの一つです。

税金関連の支払いを自分で行わなくてはならない

業務委託契約で働く美容師は、個人事業主としての開業届を提出しなくてはなりません。

また、正社員のように税金が給料から天引きされないため、自分で確定申告を行う必要があります。

教育を受けにくくなる

通常のサロンでは、研修や勉強会などが定期的に開催されます。

美容師同士の知識や技術を共有し合う貴重な時間です。

業務委託で働く場合は、このような教育環境がなくなるため、自分でスキルを磨く必要があります。

また、将来自分のお店を構えたい場合は、経営やビジネスの勉強もコツコツと行わなくてはなりません。

労働基準法の対象範囲でなくなる

業務委託契約は雇用契約ではないため、労働基準法の適用外になります。

健康保険や国民年金の手続きや支払いは自分で行わなくてはなりません。

また、サロン側と業務や報酬に関する契約内容でトラブルがあった場合、双方で解決するしかありません。

自分に最適な独立方法を見つけよう

いかがでしたでしょうか。

今回は、美容師の働き方の一つである業務委託について紹介しました。

雇用契約との違いや、面貸し・シェアサロンと異なる点、メリットやデメリットをお分かりいただけたかと思います。

美容師が独立する方法は、お店を構えることだけではありません。 低コスト・低リスクで、自由に働いて収入アップが狙える方法を検討してみましょう。

シェアサロンを利用することで、収入はどのくらい増えるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

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