美容師の個人事業主に必要なものと節税対策

美容師が個人事業主(フリーランス)として活動する場合は、さまざまな手続きが必要となります。正確に行わなければ、ペナルティの対象となるため注意が必要です。また、自身で税金を支払う必要もあるため、節税のテクニックも重要です。

本記事では、個人事業主として活動したい美容師の方が、事前に必要な手続きについて詳しく解説します。また、美容師ができるだけ節税する方法や、経費で落とせるものについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

美容師の個人事業主に必要な手続き

個人事業主の美容師として活躍するためには、事前にさまざまな手続きが必要になります。下記5つの手続きは、合法的に美容院を開業するために欠かせないため、必ず行っておきましょう。

  • 開業届を出す
  • 美容所開設届書と構造設備概要書を提出する
  • 国民健康保険に加入する
  • 国民年金に加入する
  • 青色申告承認申請書を提出する

開業届を出す

どのような職種であっても、個人事業主やフリーランスとして活動するためには、「開業届」の提出が欠かせません。

開業届とは、個人がビジネスを始めたことを、税務署へ知らせるための書類です。開業届は提出しなくてもペナルティはありませんが、後述する「青色申告」による確定申告ができなくなります。そうなると、支払う税金額が大幅に増えてしまいます。

また、ビジネス用の銀行口座やクレジットカードを開設したり、サロンの賃貸契約や融資の審査の際も、開業届の提示を求められる可能性があるため、開業届は必ず提出しましょう。

開業届の提出は決して難しくありません。税務署側から指定された一枚の書類に、必要事項の記入や捺印などを行って、税務署への直接提出もしくは郵送を行うだけです。

開業届の提出に費用はかかりませんが、開業から少なくとも2か月以内に提出することが原則なので、早めに提出しておくようにしましょう。

美容所開設届書と構造設備概要書を提出する

個人事業主の美容師として、サロンや美容院を運営するためには、「美容所開設届書・構造設備概要書」が欠かせません。これは、店舗の地域を管轄する保健所にサロンを美容院として認可してもらい、衛生管理や設備などが基準に適合することを証明するためのものです。

美容所開設届書と構造設備概要書を行わなければ、たとえ美容師の資格を保有していたとしても、病院を運営することはできません。名称としては難しそうな書類ですが、いずれも一枚ずつ書類に記入して提出するだけなので、ひとつずつ適切に記入すれば難しくありません。

ただし、美容所開設届書と構造設備概要書を提出した後は、保健所による立ち入り検査が行われます。これに合格しなければ美容院を運営できないため、事前準備を必ず整えておくようにしましょう。また、これらの届け出には20,000円前後の費用がかかります。

国民健康保険に加入する

国民健康保険への加入も必須です。サロンに雇用されていたときは、サロン側の健康保険に自動的に加入していたため、国民健康保険は必要ありませんでした。また、保険料についても給与が支払われるときに天引きされていたため、意識する必要はありませんでした。

しかし、個人事業主やフリーランスとして活動する場合は、国民健康保険への加入が義務付けられています。国民健康保険への加入は、居住地域の市役所および区役所で、下記の必要書類を提出して行います。

  • 運転免許証やパスポートなど本人確認書類
  • マイナンバーカードもしくは通知カード
  • 前職の退職を示す資格喪失証明書や退職証明書

国民年金に加入する

国民健康保険と同様に、国民年金への加入も必須です。こちらも、サロンに雇用されていたときは、自動的に天引きされていたため意識する必要はありませんでした。

しかし、個人事業主やフリーランスの美容師として活動する場合は、年金手帳や基礎年金番号通知書を携帯して、住民票がある市役所や区役所で手続きを行いましょう。

なお、事業開始当初は資金繰りが厳しく、高額な国民年金の支払いができないこともあります。その場合でも未納にせず、国民年金額の減免や猶予の制度を利用しましょう。

青色申告承認申請書を提出する

個人事業主やフリーランスの美容師になった後は、確定申告を毎年行う必要があります。確定申告とは、毎年の所得額を税務署へ申告して、所得税や住民税などを支払うための手続きです。

確定申告を行わなければ、税務署から深刻なペナルティを課せられることがあるため、確定申告は必ず行いましょう。ただし、確定申告には大きく分けて「白色申告」と「青色申告」の2種類のものがあり、支払う税額が大きく異なります。

青色申告は、確定申告の書類や帳簿の作成ハードルは高いですが、最大65万円分の控除を得られるというメリットがあります。そのため、確定申告は青色申告で行うことをおすすめします。

税務署の青色申告承認申請書に必要事項を記入して、税務署へ提出するだけで行えるため難しくありません。ただし、開業日との兼ね合いで提出期限があるため、できるだけ早めに提出しておきましょう。

節税方法

個人事業主やフリーランスの美容師は、確定申告を毎年行わないといけません。しかし、税金額は決して安いものではなく、収入が増えるほど税額も高くなります。

個人事業主として生活を豊かにするためには、できるだけ税金を安く抑えることが重要です。しかし、不適切なことをすれば「脱税」として処罰されるため、あくまで合法的な「節税」を心掛けましょう。ポイントは下記2つです。

  • 青色申告を行う
  • 経費をできるだけ多く計上する

前述したように、青色申告を行うと最大65万円分の控除を得られます。つまり、収入を65万円少なくできるということです。青色申告は帳簿の作成が大変ですが、1年間の税額が10万円~20万円以上も変わることがあるため、青色申告は節税のために欠かせません。

また、個人事業主やフリーランスの美容師は、事業に必要な費用を「経費」として計上して、収入額を減らすことができます。帳簿上の収入額が減れば、それだけ税額も安くなるため、経費はできるだけ多く計上しましょう。なお、経費として計上できる費用については、後述します。

美容師の雇用形態

美容師の雇用形態には、下記3つのものがあります。それぞれの特徴について簡単に解説します。

  • 雇用契約
  • フリーランス
  • 業務委託

雇用契約

雇用契約とは、サロンに雇われる形で、美容師として活動することです。パートやアルバイト、契約社員や正社員のどの形態でも雇用契約となります。基本的な雇用形態だと言えるでしょう。

雇用契約のメリットは、ある程度は安定していて、健康保険や年金など一定の社会保障を得られるということです。また、税金や保険料は給与から天引きされるため、納税の手間がかからないことも魅力です。

しかし、雇用契約の場合はサロン側に拘束されるため、自由な活動ができないことがメリットです。また、労働環境が厳しい場合も多く、身体的および精神的な負担もかかります。

フリーランス

フリーランスは、自身でサロンを運営して活動する美容師を指します。フリーランスと個人事業主は基本的には同じ意味で、いわば自分で自分を雇用するという形態です。

フリーランスや個人事業主のメリットは、自分で自由に美容師として活動できる点です。雇用契約と異なり、サロンの方針や労働環境に左右されないため、美容師として理想的な環境が手に入ります。

ただし、自身でサロンを運営するのは容易ではありません。収入が不安定になりやすいですし、各種保険料や税金なども自身で支払う必要があります。成功のためには、適切な運営が欠かせません。

業務委託

業務委託とは、サロンと契約して美容院を運営する方式です。雇用契約とフリーランスの良いところを合わせたような形で、サロンとの関係を持ちながら自分で美容院を運営できます。いわば、サロンから委託されて美容院を運営するようなものです。

報酬額の支払いについては、いくつかのパターンがあります。基本的には、サロン側に売り上げが入って一定割合が美容師に報酬が支払われるか、美容師側の収入の一部をサロン側に「歩合」として支払います。

基本的にはフリーランスの形態なので、社会保障費や税金の支払いは自身で行う必要があります。しかし、アルバイトや正社員で働くより自由に活動できるため、非常におすすめできる雇用形態です。

フリーランスの美容師が経費で落とせるもの

前述したように、個人事業主やフリーランスの美容師として活動するためには、節税が重要になります。節税のために欠かせない経費として、美容師は下記のものを計上できます。ぜひ積極的に活用してみましょう。

  • シザー
  • コーム
  • シャンプー
  • トリートメント剤
  • パーマ剤
  • テーブル
  • 椅子
  • 各種インテリア
  • 賃貸料
  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 通信費

基本的には、美容院の経営にかかるすべての費用を、経費として計上できます。特に、サロンの賃貸料やスタッフを雇う人件費、光熱費や通信費なども経費として計上できるため、可能な限り正確にたくさんの経費を計上しましょう。

ただし、経費として計上するためには、事業と関係のあるものであり、しかも領収書など経費の存在を証明できるものが必要です。そのため、必要なものを支払ったときは、必ず領収書を保存するようにしましょう。

独立にはシェアサロンがおすすめです

個人事業主やフリーランスの美容師として活動するためには、事前にさまざまな書類を提出する必要があります。特に、開業届や美容所開設届書、青色申告承認申請書などの提出は必須です。また、税額を抑えるためにはできるだけ経費を計上することが大切なので、領収書もこまめに保管するようにしましょう。

美容師にとって、フリーランスや個人事業主としての活動は非常に魅力的です。自身で美容院を運営することに興味がある方は、「シェアサロン」がおすすめです。弊社では、美容師の方が自由に働きやすい環境を整えています。理想的な環境を手に入れたい方は、ぜひ弊社にご相談ください。LINEでも気軽にお問い合わせください。

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