美容師がうつ病になる原因と予防法

顧客の髪形を美しく整える「美容師」は、華やかな職業として人気です。しかし、美容師は「うつ病」になりやすい職業としても有名で、心に不調を感じる美容師が増えています。

本記事では、美容師がうつ病になってしまう原因と、うつ病にならないようにする方法について解説します。ストレスや疲労でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

うつ病に「なりやすい美容師」と「なりにくい美容師」の違いは「自己肯定感」

うつ病とは、過度の精神的ストレス・身体的ストレスが継続して、脳の機能が低下してしまう疾患です。うつ病は決して珍しいものではありません。

厚生労働省によると、100人中6人が障害のうち一度はうつ病になり、男性よりも女性の方が多いことが分かっています。

うつ病は「心の病」と言われているように、基本的には心の不調から発症します。特に、仕事や人間関係の悩みは、うつ病の大きな原因となるようです。

しかし、同じ「美容師」という仕事をしていても、うつ病に「なる人」と「ならない人」がいます。この違いは、いったいどこにあるのでしょうか。

それは考え方の違い、分かりやすく言うと「自己肯定感」の違いです。自己肯定感とは、自分自身を評価する感情のことです。

自己肯定感が低い人は、常に自分が間違っているような気がして、自信を持てなくなってしまいます。この点について、さらに詳しく見ていきましょう。

うつ病になりにくい美容師は自分を責めない傾向がある

「うつ病になりやすい美容師」と「うつ病になりにくい美容師」の違いについて見ていきましょう。今回は、顧客の指示どおりに髪形を仕上げたにも関わらず、顧客からクレームが出たときの思考パターンをご紹介します。

自己肯定感が高い美容師は、「気に入らないが、この顧客の考え方だから仕方ない」のように、あくまで自分と顧客の考え方が違うと割り切ります。必要に応じて、顧客の意見を踏まえて、次の機会に活かそうとするでしょう。

しかし、自己肯定感の低い美容師は、「自分には実力がないから、誰にも評価されないんだ」と自身を強く責める傾向があります。顧客のクレームや上司の叱責があるたびに深く悩み、そのストレスが限界を超えるとうつ病を発症してしまいます。

美容師がうつ病になる主な原因5選

美容師がうつ病になる原因として、下記5つのものが考えられます。それぞれの原因について、分かりやすく解説します。

  • 人間関係が悪い
  • 労働時間が長い
  • 収入が少ない
  • 仕事が評価されない
  • やりがいを感じられない

人間関係が悪い

人間関係の悪さは、そのような業種でもうつ病の原因になります。例えば、同僚と仲が悪い、上司のパワハラがひどいなどです。

他人の気持ちに敏感で、他人によく気をつかう人ほど、人間関係の影響を受けやすい傾向があります。その状態のまま無理に仕事を続けると、精神がすり減ってうつ病になってしまいます。

労働時間が長い

一般的に、美容師は労働時間が長い傾向があり、閉店時間のカット練習が長い場合はなおさらです。労働時間が長すぎると、身体と精神の両方が疲れます。

心身がすり減るとストレスへの耐性が低くなり、うつ病を発症しやすくなります。職場環境や人間関係が悪いといった条件が重なると、長時間労働の悪影響はさらに大きくなります。

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収入が少ない

美容師は魅力的な仕事ですが、平均的な収入額は他の業種と比べると低い傾向があります。同じサロンで長期間働き続けて昇格しても、昇給額はわずかなことも少なくありません。

頑張って働いても生活が苦しいままだと、ふとした瞬間に「何のために頑張っているんだろう」と思うことがあります。そういうことが続くと、次第に深く思い詰めるようになり、うつ病の原因になってしまいます。

仕事が評価されない

頑張って働いたのに、上司から正当な評価を得られないことがあると、誰でもネガティブな気分になるものです。「自分には才能がない」と、思い悩んでしまうこともあるでしょう。

前述したように、自己肯定感が低い人ほど自分を責めやすいので、努力が評価されない職場にいると精神がすり減ります。悩み続けた結果、うつ病になってしまいます。

やりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられなければ、仕事をする意味を見出せません。毎日職場へ通うのがつらくて、虚しい気分になってしまうでしょう。これはうつ病の典型的な症状です。

給料が低かったり労働時間が長かったりしても、仕事にやりがいがあれば、それなりに耐えられるものです。しかし、やりがいが見出せなくなったとき、突然うつ病の症状が出てきてしまいます。

美容師がうつ病にならないようにする方法5選

うつ病は誰でもなる可能性があり、その主な原因は「心身の疲労蓄積」です。ストレスをなくすことや、完璧な職場を手に入れることはできません。

そのため、「ストレスといかに付き合う」かが、美容師がうつ病にならないようにするために重要なことです。下記5つのことは、うつ病の予防に効果的なので、ぜひ取り入れてみましょう。

  • 自己肯定感を高める
  • 睡眠の質を高める
  • 食事のバランスを改善する
  • 意識的に日光浴や運動をする
  • 趣味に時間を費やす

自己肯定感を高める

できるだけ自分自身を褒めて、自己評価を高めていきましょう。自己肯定感を高めるのは容易ではありませんが、まずは「ありのままの自分を認める」ことが重要です。

そのうえで、後述するライフスタイルの改善や、美容師の仕事を通じて得られる「嬉しい」「良かった」という成功経験を重ねていけば、自己肯定感は少しずつ高まるでしょう。

睡眠の質を高める

睡眠時間が短いほど、うつ病になりやすいようです。睡眠時間は7時間~8時間くらいが理想的ですが、なかなか時間を取れないことや、そもそも寝つきが悪く寝られないこともあるでしょう。

そこで意識すべきなのが「睡眠の質」です。睡眠の質を高めれば、短時間の睡眠でも心身が休まり、心身の疲れをリセットできます。定期的に運動や日光浴をしたり、就寝直前のスマホやPCの使用を控えたりすると、睡眠の質が向上して寝つきやすくなります。

食事のバランスを改善する

規則正しい食習慣には、うつ病の予防に効果的だと考えられています。心の健康には、「セロトニン」という神経伝達物質が重要で、セロトニンは「トリプトファン」というアミノ酸(タンパク質の一種)から生成されます。

セロトニンは、肉類や魚介類、乳製品や豆類など、タンパク質が豊富な食品に多く含まれています。これらの食材を積極的に取り入れて、食事のバランスを改善してみましょう。

意識的に日光浴や運動をする

私たちの身体は日光を浴びることで、さまざまなバランスが整い、体内でセロトニンの分泌量が増えることが分かっています。そのため、意識的な日光浴を取り入れることをおすすめします。

また、セロトニンは運動でも増えるため、時間があるときに運動することも大切です。有酸素運動や筋トレなど、自身のスタイルに合う運動を続けてみましょう。

趣味に時間を費やす

ストレスとの付き合い方で重要なことは、気分転換やストレスの発散です。ライフスタイルの改善と合わせて、趣味を楽しむ時間を確保できれば、うつ病の予防効果がさらに高まります。

これらの改善方法の中には、実践するのがなかなか難しいものもあるかもしれません。自分に合うものを組み合わせて、美容師としてストレスと上手く付き合っていきましょう。

うつ病の治療方法は「投薬治療」が基本

すでにうつ病になっている人は、前述したうつ病の予防法を実践するのは困難かもしれません。気力が出ない、いつもネガティブな気分になるなど、うつ病の症状が出始めたら早めに心療内科を受診しましょう。

うつ病は自己治療がまず困難で、治療方法は「投薬治療」が基本です。「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」や「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」と、「抗不安薬」や「睡眠導入薬」などから必要に応じて医師から処方されます。

投薬治療と合わせて十分な休養を取ることも、うつ病の治療には欠かせません。うつ病になってしまったときは、まずは治療に専念してみましょう。治療が完了すれば、美容師として再び精力的に働けるようになります。

うつ病になっても美容師を辞める必要はない

うつ病になっても、美容師を辞める必要はありません。

現在のサロンで働きながら、うつ病を治療し続けることも、基本的には可能です。症状の強さによっては、シフトの変更や休暇の取得が必要になるかもしれませんが、それを理由に美容師を辞める必要はありません。

美容師がうつ病になるのを避けるために「独立」もおすすめ

うつ病にならないためにも、ライフスタイルや自己肯定感の改善で、日々のストレスと上手く付き合うことが大切です。ただし、うつ病の理由が職場環境にあると考えられる場合は、転職や独立を考えてみることもおすすめします。

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