サロンで美容師として働く中で、独立して今より自由に働きたいと考える人も多いのではないでしょうか。
独立には、サロン開業やシェアサロンの利用だけでなく、面貸しを利用するという選択肢もあります。
そこで本記事では、面貸しとはどのようなシステムであるのかを、メリットやデメリットとともに紹介します。
独立を目指す美容師の方は、将来的な働き方を考える参考にしてください。
目次
面貸しとは
面貸しとは、サロンの一部スペースを空き時間や営業時間外などに、フリーランスの美容師に貸し出すシステムです。
ミラーレンタルとも呼ばれます。
面貸しでは、「サロンのオーナーと従業員」という関係性ではなく、あくまで「店舗オーナーと店舗利用者」の関係が保たれます。
美容師の収入はサロンから受け取る給料ではなく、お客様からいただく売上代金です。
店舗オーナーは、美容師から一定の店舗利用料または売上代金の一部を徴収する形で、店舗を運営します。
美容師の売上や顧客はサロンではなく、美容師個人に帰属するという点で、業務委託契約とも少し異なります。
面貸しは、アメリカをはじめとする海外において、以前より主流の運営形態です。
近年、美容師に限らず働き方が多様になってきており、日本でも面貸しをするサロンが増えています。
面貸しとシェアサロンの違い
面貸しとシェアサロンの大きな違いは、サロンの運営目的と形態にあります。
シェアサロンとは、美容師が施術を行うために必要なスペースや道具を、全て貸し出すレンタルサロンのことです。
サロンの全スペースが、フリーランスとして働く美容師のために整備されています。
そのため、複数のフリーランス美容師が集って、各々のサービスを提供するためのサロンです。
一方で面貸しは、お店の看板を掲げる専業サロンの一部スペースを貸し出します。
つまり、基本はお店に所属する美容師が働き、空いた時間やスペースを必要に応じて開放するという運営形態です。
シェアサロンに向いている人
シェアサロンで働くにはどのような人が向いているのでしょうか。例えば、今以上に収入を上げたいといった方にはおすすめの環境です。雇用形態のサロンとは違い給料は青天井のためです。
こちらの記事では、シェアサロンのメリット・デメリットや働くのに向いている人、さらにはお金事情についてまで詳しく紹介しています。独立をお考えの美容師の方は、ぜひご覧ください。
容師が面貸しで働くメリット
フリーランスの美容師が面貸しを利用するデメリットはこちらです。
時間の拘束が無い
集客からスケジュール管理を全て自分で行うため、お店で割り振られたシフトやお客様対応に制限されることなく、自由なスケジュールを組みやすいです。
また、一人のお客様を最初から最後まで担当するため、お客様にきちんと向き合って対応ができます。
美容師だけでなく、お客様にとっても高い満足度を期待できるでしょう。
初期投資が必要ない
独立する際に自分の店舗を構える場合、店舗の確保からデザイン・設計、施術道具・設備の導入、広告・運営費用など様々なコストがかかります。
面貸しを利用すれば、すでにサロンとして整備された環境で働けるため、初期投資をすることなく、低コストで独立可能です。
また、莫大な初期費用を投入しない分、ビジネスリスクも抑えられ、気軽に独立しやすいでしょう。
固定費が必要ない
面貸しは、自分のスケジュールに合わせて、都合の良いタイミングで利用できます。
売上歩合制の面貸しサロンでは、初回登録費用や月額利用料を払う必要もありません。
固定費がかからないため、月々の利益を確保しやすいでしょう。
人間関係に悩まない
面貸しのサロンは、美容師個人での都度利用が一般的です。
専業サロンのように固定のメンバーで働かないため、煩わしい人間関係に悩むこともありません。
面貸しを行っているサロンは多くあるため、様々なサロンを利用して自分に合った環境を探しやすいでしょう。
経営者目線で働ける
面貸しを利用するフリーランスの美容師は、集客から接客・施術・アフターフォロー・経理・スケジュール管理などの全ての業務を自分で行います。
お金の管理は、サロンの経験者でなければ、なかなか携わることのない業務です。
どうしたら売上が伸びるのか、お客様のニーズは何なのかなど、経営者の目線に立って働ける点が魅力的です。
フリーランスの美容師としての経験は、将来自分のお店を構える際に必ず役に立ちます。
集客などを任せられる場合も
独立してお店を構えてすぐは、多数サロンが存在する環境下で集客するのが大変でしょう。
面貸しでは、既存のお店でスタートできるため、通常より高い集客効果が期待できます。
また、フリーランス美容師の独立支援業務を行っているサロンもあるため、集客に関するサポートも受けられるかもしれません。
個人の能力を試せる
面貸しサロンでフリーランスとして働くことは、美容師としての実力試しでもあります。
アイデアや技術力次第で、美容師としての可能性が存分に広がるでしょう。
美容師が面貸しで働くデメリット
フリーランスの美容師が面貸しを利用するデメリットはこちらです。
給与の保証がない
専業サロンでは最低限の給料が保証されている一方、面貸しで働くフリーランス美容師には収入の保証がありません。
仕事量や能力によって差が出やすく、シビアな世界でもあります。
歩合率に納得いかない場合も
面貸しサロンは、売上代金の歩合率を定めているケースが多いです。
歩合率が低く、仕事量に見合わない場合もあるため、慎重なサロン選びが欠かせません。
税金の申告を自分で行わなくてはならない
面貸しサロンで働く美容師は、個人事業主です。
業務を始める際には、開業届と青色申告書を提出し、確定申告を自分で行う必要があります。
経理業務を自分で行わなければならない
接客業務以外で最も大変なのが経理業務です。
専業サロンでオーナーが行うような売上や経費の計算も、自分で行わなければなりません。
新規顧客が増えづらい
お店の看板を借りた集客ができないため、新規顧客が増えづらいと感じる場合もあるでしょう。
しかし、SNSや人脈を駆使して成功しているフリーランス美容師も多くいます。
お客様とトラブルが起きた際は責任を負わなければならない
フリーランス美容師の業務に関わる責任は、美容師自身がとります。
お客様とのトラブルがないよう、慎重な運営が大事です。
面貸しに向いている人
面貸しに向いている人は、自己管理がしっかりできる自由志向型の人です。
時間や人間関係に縛られることなく、自分のスタイルを確立しやすいため、自由に働いてどんどん挑戦したい人に合っています。
また、コストを最小限に抑えて経営経験を積んでみたい人にも最適です。
スケジュールやお金の管理がしっかりできれば、面貸しでも安定的な収入が得られるでしょう。
面貸しに向いていない人
面貸しに向いてない人は、帰属意識が強い安定志向型の人です。
面貸しでは、完全に個人の美容師として働くため、一人での業務が不安な人は大変に感じるかもしれません。
また、給与が保証されないため、自分で収入を確保するためには、業務をこなす体力と忍耐力が必要です。
自己管理が苦手な人は、お客様とのトラブルにも繋がりかねないため、面貸しサロンでフリーランスとして働くことは難しいでしょう。
面貸しの費用相場
面貸しには主に、売上に対する完全歩合制とサロンスペースのレンタル料金制があります。
前者の相場は還元率45~65%程度、後者の相場は1時間1500~2500円程度です。
面貸しでは施術料金の設定が自由なため、自分の業務量や売上に合ったスタイルを選びましょう。
独立したいと考えている美容師におすすめです
いかがでしたでしょうか。
今回は、美容師の独立方法の一つである、面貸しについて解説しました。
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